喪中はがきに寄せて

2019-11-14

週三回、奥様の通院の送迎を
献身的に行っていた
70代の生徒さんのお話です。

出会いは3月
教室に来られたきっかけは、
奥様の毎日の血圧、体重などを
エクセルでグラフ化したいとのことでした。

どこまでも奥様を大切に思い
通院で、奥様が不在の時間の合間に
教室へお越し頂いていました。

日々の時間のやりくりも
奥様中心の生徒さん。
献身的にサポートする生徒さんの様子から
奥様には、一度もお会いしたことはありませんでしたが
きっとステキな方なんだろうと思っていました。

2カ月ほど教室へ通って頂いた後、
奥様の調子があまりよくないと、
生徒さんは、休会されました。

教室へお越しのころは、
ご近所で、ばったり生徒さんに
出会ったりしていたのですが、
休会されてからは、すっかりお会いしなくなり、
その後も、私は生徒さんと奥様の様子が
気になっていました。

でも、生徒さんの献身的なサポートが
きっと、奥様を快方に向かわせてくれるであろうと
願っていました。

8月5日の朝、
いつものように教室ののぼりを出していると
ジョギングする生徒さんにばったり
お会いしました。

「お久ぶりです。奥様の具合はいかがですか?」
開口一番、
私は生徒さんに尋ねました。

「昨日、亡くなりました」と。

「えっ!」

私は、驚くばかりで
かける言葉も見つからず
そのまま生徒さんは、
足早に去っていきました。

休会後、
生徒さんにばったり
お会いすることもなかったのに、
何で今日はお会いできたんだろう。

奥様との不思議なご縁を感じました。

そして、今月
生徒さんは、喪中はがきを作りたいと
教室へいらして下さいました。

ご入会のきっかけも奥様
また再開したきっかけも奥様
奥様がつないで下さったご縁に
感謝の気持ちでいっぱいです。

私は、これからも
いつもと変わらない笑顔で
生徒さんをお迎えします。

そして、いつも変わらずそこにある
教室でいたいと思います。

天国の奥様、
いつまでも見守っていてくださいね。

今日も元気でありがとう

村松葉子